舞台裏のダイコンたち after
東京で演劇活動を行っている大沢ギンペイのブログです。趣味とか演劇とかいろいろと。
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帰ってきたストーリー分析
 (今回は論文調の、ちょっと真面目なお話です。)

 ううむ、来楽零氏の某小説作品、シリーズ二作目の方が一作目より断然面白いのはどういうわけだろう……。
 と、考えていました。
 私の中では割りとあっさり結論がでましたけどね。
 四人の『主人公』を平均的に扱った一作目に対し、二作目は読者が視点を重ねるべき登場人物が、かなり固定されていて、感情移入が深くなったから。そしてその登場人物が非常に魅力的に描写されていたからである、と。

 こういう記事を覚えていますか? 私は忘れてませんでした。忘れては。早く続きを書きたかったんですけどね。
 この機会に、あの続きを書きたいと思います。

 あれから考えていました。
 物語を楽しむには何が必要なのかと。

 単語としては、心当たりがありました。

   『感情移入』

 という奴です。

 では感情移入とはなんなのか、どうして必要なのか。暫定的な結論が出たので記しておきます。
 私はとりあえず、『物語に対する感情移入が行われた状態』をこう定義します。

 物語の受け取り手(観客・読者・視聴者等。以下、便宜的に『読者』とする。)が登場人物に対して共感・反発等の感情を抱き、登場人物の抱く快・不快の感覚によって、読者が快・不快を覚えるようになった状態。尚、登場人物の快・不快と読者の快・不快は一致していても良いし、一致していなくても良い。つまり登場人物が不快に感じる出来事を、読者が快く感じても良い。

 かなり、当たり障りのない定義だと思います。
 作り手が物語る目的は自分の快感であり、その大部分は読者の快感(面白い! という反応)を通して達成されますから。感情移入の獲得とは、作品内でのエピソードで読者の心を操るための、下地の獲得と言えます。しかしこれ(感情移入)も、基本的にはエピソードを以て勝ち取らなくてはなりません。ではどんなエピソードを配置すれば良いのか。今回は、登場人物描写の観点から少し考えてみましょう。

 感情移入の例として分かりやすく、「読者に愛される人物像」を考察してみます。
 人物描写は、大体において、以下のいずれかを示す性質を持っています。
 そしてこれらは、心理学的に人間が好感を持つ条件でもあるのです。

 a.優位性
 b.劣位性
 x.同質性
 y.異質性

 aとb、xとyは対であり、同時には起こらないものと仮定します。
 逆に言えば、aとx、bとx、のように、abいずれかとxyいずれかは、同時に満たされるケースも多々あります。それぞれについて説明します。

 a.優位性
 説明対象の、一般的に見て『好ましい』性質。
 これが全くない人を好きにはなれませんよね?
『優位性』という名称は、bの『劣位性』との対称関係を明確にするために用いたものです。誰かに対して相対的に優れているという性質は、あまり考えていません。

例)・真面目 ・明るい ・スポーツが得意 ・頭脳明晰 ・優しい ・謙虚


 でも、aだけだと魅力的なキャラ描写はできないのが難しいところです。

 b.劣位性
 説明対象の、一般的に見て『好ましくない』部分。
 もちろん、こればかりではいけません。いいところが全く無い人は、好きになれません。例えば人の話を聞かない上に話がつまらなくて、演技が下手でしかし傲慢で、ヒマがあれば人の悪口を言っているような人間がいたら、好きにはなれませんよね?
 しかし、『好ましくない』ところが全くないのもいけません。
 なぜでしょうか。
 それが『劣位性』という、性質の名称とも関係があります。

 人間の劣った部分というのは、相手に対して優越感を与えます。
 そして優越感というのは、非常に重要な快感の一種でもあるわけです。あまり爽やかな話ではありませんが、事実ですよね? そう、「劣っていること」それ自体よりも、それによって「相手に優越感を与えること」が大事なわけです。
 よく言うじゃないですか。『手のかかる子ほど可愛い』って。(同じ理屈なのか、ちょっと自信はありませんが。)

例)・怒りっぽい ・怠けもの ・がめつい ・おごりっぽい ・嫉妬深い ・食いしん坊 ・助平

 長くなってきましたので、つづく。
 次回はx.同質性とy.異質性、そしてa~yの、物語上での扱われ方についてです。
(ギンペイ)

↓リンク貼るの、しばらくさぼってました。折角なのでクリック下さい。

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